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    ルールを破ってよいとき

    • 2017.12.04 Monday
    • 18:28

    熊本市議がルールを破って赤ちゃんを議場に連れてきたニュース、

    ルールを決める場でいきなりルール破りとかヤバイでしょ、と思ったのだけど、

    ネットではルール破りを正当化する意見でいっぱい。(もちろん反対の意見もいっぱい)

     

    その中で、唯一納得できた意見は、

    『緒方議員は一人会派なので、議会のルールを変更する場に出ることができない立場であり、事前に相談などしたが個人的な問題として取り合ってもらえなかったので今回のような手段で訴えた』

     

    ホントにこれだけ、これだけだよ、私がそれなりに納得できる意見だと思えたのは。

    その他の海外がどうだとか、それをいうのは卑怯だとか、次元の違う話だとかはルール破りを正当化する理由にはならないじゃん?

     

    なるほど、ルール変更できる手段がない場合はルール破りもOKか。

    確かにね、緒方議員はそれまでにいろいろと交渉してきたようで、詳しく経緯を知れば、いきなりルール破りというわけでもなかったようだし。

    議論するために存在するはずの議員が、議会のルール変更の議論ができないなんて、もうパフォーマンスだろうがやるしかなかったんですね。

     

    何事にも例外というのはありますからね。

    本当に別のやり方はなかったのかな?という疑問は残りますが…。

    社会的に許容できる範囲であり(人によるけど)、目的の方向性は大いに認められるものなので、こうも支持者が多いのだと思います。

     

    私の意見はこうです。

     

    まず、民主的な方法で決められたルールは守るべきである。

    そして、ルールを変更するルールもまた民主的に、だれもが主張しやすく、議論されやすくなるよう整備するべきである。

     

    そしてもちろん、子連れ会議OK派ではあります。

    これは何もみんな子連れで仕事しようよと言ってるわけではないですよ、危険な職場だってあるし、子連れだと支障のある場合だってたくさんありますもんね。ま、いちいち言わなくてもわかることだろうけど、言っておかないと、そういうところつっこんでくる人いるから。

     

    選択肢はたくさんあったほうがよい、ということです。

    子連れ会議OKなだけでなく、託児所や保育園をだれもが気軽に利用できるようにすることが大事だと考えます。

     

    今回の件は、単に「ルールに不備があった」ために起こったことではないでしょうか。

    なのに、「ルールは守るべき」派と「子連れで仕事できるような社会を」派とで対立しているのは非常におかしなことで残念に感じました。どちらも間違っていなく、対立するようなことではないのでは?だからだろうね、「どちらも理解できる」とか「モヤモヤする」って感想や意見をけっこうみかけたのは。

     

    赤ちゃん連れに厳しいのではなく、ルールを守ることに厳しい。

    赤ちゃん連れを排除しようとしているのではなく、ルールを守ることの大切さを訴えている。

    その違いを理解していないと危険なのではないかという気がしました。

     

    まぁ私はルールを守ることに厳しいタイプなのかもしれませんね。

    普段、PTAに対してルールを守れよと言ってるのに、どうしてこの件だけルール破りOKと簡単に言えましょうか。

     

    私はルール破り正当化の理由をすごく考えて、一番最初に述べたような理由ならOKなのでは、という結論に達しましたが、どういうわけか、いわゆる著名人とか発言力のある方々がこぞって「海外は〜」とかその他納得いかない理由をガンガン発信してるんですよね。

     

    なんかもう、赤ちゃん連れママの破壊力すごい、としか言えないような。

    子連れ時代キターーー今だ〜突撃〜!的な。

     

    ネット上では普段は憲法守れだのルールを守れだのという主張があれだけ多いのに、赤ちゃん連れ市議がルール破ったら途端にルール破りOK・・・どうなってるんですかね。←個人的に受けた印象ですけど。

     

    おらおらどけどけ赤ちゃん連れが通るぞこらぁ〜的なのは誰も望んでませんよね?

    そんなのは、ただの「弱者の横暴」ですから。

    子育てしながらでも働きやすく、生きやすく、そんな社会を望んでいるんですよね。

    多くの人が望むところは同じなのに、不要な対立が起きているようで、また言うけどホント残念。

     

    ここぞとばかりにあの場にいた男性議員を汚い言葉で罵っていた人もいて不快に思いました。

    緒方議員がおっしゃってましたが、通りがかった議員さんで、赤ちゃんににこっと微笑んでいかれた方もいらしたそうですし。

    応援したいという気持ちを持っていた議員さんもいたんじゃないでしょうか。

     

    あと、『ルールを破った人を全員許容するのか、というのは極論、0か1かではなく、0.1とか0.2とかを目指して議論するきっかけになればよい』という意見も、まったくそうだな、と感じました。

    そうそう、これだよこれ、今回のことが議論するきっかけになって、早く赤ちゃん連れ会議OKになることが大事なわけですよね。

    別にルール破りすべてOKだよって話じゃない。

     

     

    ってことなんだけど、今回のルール破り正当化についての考えは少し整理しておきたいです。

     

    ルール破りOKを正当化する理屈として納得いかなかったものを、なぜ納得いかないのか整理してみました。

    まず、「ルールが悪いかどうか」と「ルール破りは正しい行為か」は分けて考えるべきと思う。一見、ルール悪けりゃ破ってもいいじゃんと思えるんだけど、じゃあその悪いって誰がどう決めるのよってちょっとややこしくなるんで。

     

    ◆海外では子連れ会議OKである〜の類。

    だって海外はもう子連れOKのルールになってるんだよね。

    で、それは時間かけて話し合ってそう決まったことなんでしょ。見習うならそこじゃない?

     

    「海外で良さそうなことやってるよ、日本でもできそうじゃない?」ってのなら共感できるけど。

    PTA問題でもこれくらい「海外では強制なんてないよ」とガンガン主張してもらいたいものですね。

     

    ◆「やり方が〜と言う人は卑怯だ」とかなんとかの類。

    私にはまったく意味不明でした。

    主張内容の正しさと、それを表明するための手段の適切さは別問題なのだから、後者の部分だけを批判しても何もおかしなことではないのでは?

    やり方がまずいと指摘する人の中には、主張そのものは支持している人がたくさんいた。

    卑怯と言う人がそこで思考停止させている点において卑怯であると思うのだけど、私は。

    そんな人格攻撃的なこと言われてもね。

     

    それとも、正しい主張を押し通すためには手段を選ばなくて良いということでしょうか?

    PTAは本来は素晴らしいボランティア組織であるはずなのに、ズバリやり方が非常にまずいと私は常々思っています。

     

    ◆他人の生命の安全や財産を脅かすことがないなら、主張する手段がルール破りであっても良い。

    これは、相模原事件のような場合を例として、ルールを破っての主張はダメだとする意見に対する反論。

    程度の問題なんですかね?

    迷惑レベルが低ければルール破りは正当化される?わけないじゃん。

     

    でもまぁ、今回のは「この程度」だったから世間に受け入れられたってのがありますよね。

    これが「私の主張を受け入れないから反対意見の議員を皆ぶっ殺した」という話だったら、世間はまったく違った反応でしょう。

    なので、この意見はルール破りの正当化にはならないけど、ルール破りが世間に受け入れられた(大目に見てもらえた)理由としてはありだな、という感じです。

     

    ◆議会が40分遅れることより働く母親の立場が何十年も停滞していることの方が大変。

    わたしは常々、他人の時間を無駄に使うことに鈍感であってはならない、と思っている人間です。

    なぜって、自分の限られた時間をとても大切にしているから、他人の時間も大切にしたいと思うからです。

     

    議会が遅れることも、ワーキングマザーの立場が停滞していることも、どちらも大変なことだよね。私はそう思う。

    議会では、女性子育て問題だけを話し合うわけではないですよね。他にも長年停滞している問題はあるかもしれない。

    議会の時間と、取り上げる問題の重要さ、って同列に比較できるものなんですかね?

    問題の大小と、時間の長短を理由にしてのルール破り正当化はできないですよね。

     

    「私の問題のほうが重要なんだから、私のために議会の時間をつぶしてもいいんです!」とならないでしょ。

     

    でも、今回の件により議会が遅れたことで、ワーキングマザーの立場が少しでも良くなるのなら、無駄な時間にはならないことでしょうね。

    「議会が40分も遅れるなんてとても大変なこととさも正しい事のように言っていたが・・・」という意見があった。

    正しいでしょう。大切な議会の時間ですから。

     

    自分だけの時間ではない、多くの人のための、大切な時間なのだから。

     

    ◆女性不可、黒人不可のルールがあった時代を持ち出す人。

    なぜに女性排除、黒人排除を目的とした差別ルールと同列に語れるんですかね。

    「議場に議員以外の者は入れない」というルールは特段おかしなルールとは思いません。赤ちゃん排除目的で作られたルールではありません。単に想定してなかっただけでしょう。

     

    また、過去に正しい主張のためにルール破りをして社会を変えることに成功した事例があるからといって、じゃあ僕もやって大丈夫だよね、となるわけではないですよね。

     

    差別された人たちが差別ルールと闘う、議会で話し合う権利を有する議員が議会のルールを破る、次元が違うというのはこういうことを言うのでは?

     

    ◆議論してルールを変えるべきという奴は、それにどれだけの労力と時間がかかるかわかってない。

    ここまでくると、もはや緒方議員を本当に応援してるのかどうかわからなくなっちゃう。

    「話し合いなんか時間かかるだけだから、強行突破だ!」え、乱暴ですね。

     

    なんかもう、議会って何だろう?的な次元に突入しちゃってますよね。

    議会において、時間と労力かかるって理由で話し合いすっ飛ばしていいわけないでしょうが。

    日常的にそういう場面はあるかもしれないけれど。

     

    それに緒方議員だって話し合いすっ飛ばそうっていう気はないですよね。妊娠中から相談し、いろいろ話をしたけど取り合ってもらえなかったっていう経緯があるんだし。

     

    それに、「議論してルール変更」と主張は何も間違っていないし、労力と時間がかかるのもわかった上で主張しているんだと思いますけどね。

     

    労力と時間を費やして、議会民主制を築いてきたのだよ。

    人権とか選挙権とか民主主義だって、やっとの思いで手に入れたものじゃないんですかね。

    それだけに、議会でルールを破るって、すごいことですよ。それだけの想いがあって必死に訴えたんですよね、緒方議員は。

     

    『議論するのが仕事である議員が、議会のルール変更を議論することすらできなかった』それだけの理由じゃないですか、今回のルール破りを正当化できるのは。

     

     

    そろそろ考えるのに疲れたので、このへんで終わります。

     

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